株との出会い
YouTubeの両学長のリベラルアーツ大学の動画に出会って、もうすぐ約1年になる。
20年前に出会っておきたかった。その頃の学長はまだ起業したての18歳くらいかしらん。
すごい若者が出てきた~!
それまでは、「ドルコスト平均法」なる言葉は知ってはいたが、実践できなかった。
コツコツ積立て、時間を味方にする投資法だ。
とにかく余計な欲を捨てて、定期的に定額を積み立てて、複利の力を効かせる手法だ。
すでに60歳を超えて、これからコツコツ積立てをして20~30年後に!!とはいかない年齢。
もう、少しづつ、使う力が試されて、人生をエンジョイする年齢になった。
しかし、自分の力で稼いだことがないので、少しでも稼ぐことにいつも興味があった。
だけど、こんなやっかいながん術後の後遺症のリンパ浮腫を抱えて、通勤のある仕事はできなかった。
実は私が株に出会ったのは、夫からである。また、父が株式投資をしていたのもある。
夫の職場の同僚の方たちは、ほとんど当時(私が30歳代後半、25年くらい前)株式投資をやっていたそうだ。
夫も勧められたし、話を合わせようとしたらしい。
しかし、夫は株には興味もなく、仕事で手一杯だったのだ。
だから、私に「君、株をやってみない?」と言った。
「僕は株はやりたくないけど、皆と話を合わせたい。だから、君が代わりにやってくれたら、その実際を職場で話のネタにするから」と。
通勤にも時間がかかっていたから、株どころではなかった夫の気持ちがわからなくはなかった。
「わかった、少し面白そうだからやってみる!」と好奇心旺盛だった私は早速当時のネット証券口座を開設した。ネット証券の夜明けくらいの頃だった。
今思うと、なんて怖いもの知らず!無知だったからできたのだろう。若かった。
当時は読売新聞をとっていたが、一面の小さな広告の会社の株を買ってみた。こんな感じの広告。
当時はITバブル崩壊の少し前、無菌室などを作る会社の株を買い、わずか2カ月くらいで60万円くらいの利益が出た。
ビギナーズラックというやつである。
夫もそれを職場で吹聴し、「短期で儲かった人」になっていた。
それを切っ掛けに、株にのめり込んで行った。少しづつ株の種類も増やした。
自分でも勉強した。講習会にも行った。
当時の講師が「日経平均30000円まで、頑張ろう!」なんて言っていた。
コロナ禍のつい先ごろ?日経平均が本当に30000円を更新した。
あれから20数年経っている。先は誰にもわからない。
PER、ROE、ロウソク足のグラフ、上ヒゲ、下ヒゲ、ボラティリティー、ボリンジャーバンド、〇日移動平均線なんて言葉も一応覚えた。
一日も早く積立て投資、何があっても売らない姿勢を教わる
が、しばらくして私のがん発覚。もういい、止めることにした。
「全部株を売ってから入院するから」と言った。
夫は私への慰めか「いや、売らなくていい。また、退院してきたら継続すればいいから」と。
案の定、退院できて、でも株のことなどスッカリ忘れていた。
その前後でITバブルが弾けて暴落している。
そして、夫の死。
家計管理を任されていた私はコツコツと貯金はしていた。
うちは役割分担制にしてから、私がすべてお金の管理を任されていた。
夫の収入がなくなり、遺族年金の生活になった。
仕事も少ししたが、風邪が長引き辞めた。
無理はできないことを知る。そして、加入していた夫の生命保険金がおりていた。
多くはないが、少しはまとまった金額である。
銀行に狙われた。少しでもまとまった金額の入った未亡人は銀行の格好のカモである。
夫が生きていたら得られただろう生涯賃金に比べれば、本当に少ない額だったが、それでもなのだ。
手数料の高い投資信託、当時流行っていた変額個人年金にどれだけ勧誘されてしまったか。
無知と欲の末路。銀行の手数料と信託報酬に負けてしまい、いくら買っても利益はなかった。
そこへ、2008年のリーマンショック。
パソコンの部屋(夫のいなくなった部屋)に入ることすら気分が悪くなった。
怖くなって売ってしまった投信もあった。が、株はじっと何もせず持ち続けた。
ここが最大の買い場だったのだ。
「人の行く裏に道あり、花の山」という株の格言。
普通の素人は怖くて手を出せない。金も買いに行こうかと思ったが、買えなかった。今思うと悔しい。儲からないまま、時はアベノミクスに突入。段々株価が上がってきたのは周知の通り。
そこで、早まるくせのある私はコロナ禍の前年、何故か「こんなに株が上がるのはおかしい。もう歳だし、スッパリ止めよう」と思い、2019年11月、NISA口座の株以外はすべてネット証券の分は売った。
その後、コロナ禍になり30%以上日経平均も下げたものの、3~4か月で元に戻り、なんと27000円から30000円も突破してしまった。
日銀の動向、株価、もうすべてわからない。
お陰で、持っていたらの利益を考えると更に悔しい。
そんなこんなで、株式投資には縁があったが、少しの利益で終わったのである。笑える。
最初にも書いたが、もっと早くドルコスト平均法で積立てをしておけば、時間の長さと複利を活かしきれていればと悔やまれるが、人生は一度きり。
嘆いたって仕方ない。年金の中で買える数銘柄をまた買い戻したが、サッパリである。
若い方に言いたい!「一日でも早く積立てを開始せよ~!複利の力を頂けるのは時間がある人だけ!」
今はネット証券も本当に増えた。そして、使い勝手もいい。
あの頃とは隔世の感がある。ノーロードの投信も増えて、信託報酬も限りなく下がっている。
未来は誰にもわからない。ただ、「希望」だけは持ち続けて生きたいものだ。
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