久しぶりに本を読みました。
目が気になり、活字を読むことを意識的に避けてきました。
すぐ読めてしまう、五木さんの新書です。90歳をお元気に超えられた方はどこか違います。
私には縁遠いですが、65歳過ぎてもお元気な方は参考になるところが大きいです。
認知症なしの、現役の90歳はやはり賞賛すべきこと
90歳の方を身近にも見たり、聞いたりするようになってから、十数年経ったような気がします。
息子がまだ学生だった頃、東京の旧友のお母さま(当時90歳)と福岡で4人で一緒に食事をする機会がありました。
旧友は私より6歳年上。大正生まれのお母さまは少し認知症を発症してありました。
当時は医学生だった息子と90歳の方に会える機会を与えてもらったと、興味津々でした。
元々上品で大人しいお母さまが、いっそう大人しくなられて、私が娘の友達だったことも忘れてありました。
それが、この十数年~20年の間に、90歳がまったく珍しくなくなり、認知症への通過点みたいになってしまいました。
100歳以上の方が一番多い国、ニッポン。大正生まれ、昭和一桁生まれは強かったのですね~。
五木寛之さんも、我が母よりひとつ年上の多分91歳になられた、生涯「作家」でいらっしゃいます。
五木さんは、いまも現役で作品を書き、講演も行うなど、認知症もなく驚異的です。
この「シン・養生論」を読むと、彼なりの工夫と養生そのもので、90歳をスーっと通過されたのがわかりました。
医学的な詳しい知識はお持ちではないかもしれませんが、ここ!というポイントを押さえておられる気がします。
作家という職業柄、「書けない」ことが最大のストレスだと仰っていますが・・・
確かにご本人にとっては、そうでしょう。が、本当のストレスは「人間関係の不和」にあるんです。
作家は基本的に1人で書く作業が仕事。上司や部下といったサラリーマンではありません。
五木さんには悪いですが、彼の「書けない」はストレスという類のものではありません。
また、彼は、奥さまとの間にお子さんはおられません。
作品が子どものようなものとあえてお子さんを持たれなかったとか。
子どももいなければ、喜びもないけど、ストレスもありません。
彼は、「書く」という大好きな仕事を続けることで、人間関係にストレスを感じることもなく人生を過ごされたのです。
そして、その年代ならではの境地を世間に発表し続けておられます、素晴らしい。
「聴くことと語ることが大事」
五木さんは両親を早く亡くされているから、ご両親の歳を越えるのが目標だったとか。
自分のことを腺病質と仰っているあたり、そんなに屈強な体格ではなかったようです。
そのためには、若い頃から五木さんなりに「養生」を続けてこられたのだと思います。
「おのれの体質を知る」
そして、自分に合った「養生法」を見つけることを実践されてきた。
自分が気持ちがいいか、悪いか、健康法も自分の実感で判断してきたという流されない方。
日経新聞にも五木さんのインタビューが載っていました。
90歳を大病なく元気に迎えられたら、100歳もみえてくるんでしょう。
「経験リセット、2度生きる」 これは余裕がないと言えない言葉ですね。
私は2度なんか生きたくはありません。
1度であまりにも苦境を経験したので、リセットするならもっと早くしなければいけなかった。
五木さんの座右の銘は「聴くことと語ることが大事」
耳が遠くなると人と会うのが面倒になり、会話が減る、認知の衰えにつながると仰っています。
確かにそうです。実母も耳が遠くなってから、一気に認知症が進んだようです。
10年前に息子と私の会話の声が小さいと文句を言いました。自分の耳が衰えているのを棚にあげて。
あの時に、難聴を認めて、いい補聴器をつけておけばよかったのでしょうけど。
作家の佐藤愛子さんが、ものすごく高価で性能のいい補聴器で、今の活舌も保っておられるとまで書いてありました。
耳が聞こえれば、自ずとしゃべりたくなりますから、語ることもできるわけです。
また、五木さんは飲み込む力を繰り返し伝えてあります。嚥下力の低下が危険と。
また、面白かったのは、故石原慎太郎氏の瞼のパチパチすることを、自ら取り入れたということ。
視界を広くしておくために、上瞼を朝夜に5分くらい素早く開閉して鍛えておられることです。
五木さん独自の「養生法」が盛りだくさんで面白いのです。
自ら「エビデンスなき独断的手法」とも書いてあります笑
帯津三敬病院の帯津良一先生との対談でも「あす死ぬとわかっていても、するのが養生」がモットーとあったのを覚えています。
私は五木さんの、なんてことのないこの本に書かれている健康法に、ハッとさせられました。
「自分の身体の声を聴く」「自分に合った健康法」
それは他の人とは全く違うかもしれないのです。
「自分を大事にする」ということに、改めて気づかされました。
もう少し早くから「養生」という言葉の本質を身につけていたら、どんな違った生き方があったでしょう。
そして、「養生」もアップデートが必要のようですね、その年齢なりの!
今からでも気がついたのですから、養生に努めて日々を過ごしたいですね。
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